「minimalism(ミニマリズム)=minimal(最小限)+ism(主義)」
1960年代、アメリカを中心に登場した表現スタイル。
要素を足すのではなく削り、最小限にするのが特徴。
最初は美術、建築などの分野から広がり、現在は生活様式などにも使われている。
私は、4月から一人暮らしをしている新社会人ミニマリストです。
ミニマリストは「ミニマリズム」の考えを取り入れて生活している人のことを指しますが、最近は「ゆるミニマリスト」など元々の意味とは少し変わった使われ方もしています。
周りの人からミニマリストに関して以下のような話を聞きます。
ミニマリストって何もない部屋で生活している人じゃないの?
ミニマリストって言葉は気になるけど、実際なるとどうなるのか心配なのよね。
ミニマリストの幅が広がりつつあるため、いまいち「どんな人なのか」「実際の生活」がわかりづらくなっています。
そこでこの記事では、私が思うミニマリストの特徴と私がミニマリストとして生活していて感じたメリット・デメリットを説明します。
また、ミニマリストに興味がある人向けに、私がどのような段階を踏んでミニマリストになったのかを紹介します。
ミニマリストの特徴
「minimalist(ミニマリスト)=minimal(最小限)+ist(人)」という造語。そのため、ミニマリストの特徴としても「最小限」という言葉がキーワードになります。
私が考えるミニマリストの特徴を3点説明します。
特徴:最小限のモノの量を知っている
一つ目に、最小限のモノの量を知っていることです。
あらゆることに関して余分な要素を削るのがミニマリストです。
余分な要素を削るためには、自分にとっての「最小限」を把握する必要があります。
「最小限」を把握するべきなのは、物の量だけでなく、生活水準だったり、情報量だったり、自分に関係すること全般です。
自分の「最小限」を決められるのは自分だけなので、自分で考えます。洗濯機が必要な人もいるし、洗濯機はいらないけど掃除機は必要な人もいる。
ミニマリストは自分が何を必要としているのか、しっかり考えています。
もちろん、始めはその「最小限」に合わせて「生活を最小限にしないといけない」ということはありません。
「最小限」を知っていると、自然と余計な要素に目がいくようになり、自分から余分な物を削るようになるからです。
私自身も、自分の最小限を知った後は「片付けをしよう」と思わなくても、自然と不要なものを手放すようになりました。
ミニマリストは、いつでも「最小限」になれるように最小限のモノの量を知っています。
特徴:優先順位をつけられる
二つ目に、優先順位をつけられることです。
先程、ミニマリストだから必ずしも「最小限に合わせて生活しないといけない」というわけではないと書きましたが、不要な要素を削ることはします。
例えば、人間が100のエネルギーを持っていて、そのエネルギーでいくつかの仕事をすると仮定します。
- 4つの仕事をする:1つ当たり25エネルギー使用可能
- 2つの仕事をする:1つ当たり50エネルギー使用可能
- 1つの仕事をする:1つ当たり100エネルギー使用可能
上の3つの選択肢の中でどの選択肢が仕事で1番成果が得られると思いますか。
答えは「3」1つの仕事に集中してエネルギーを割いた場合です。
日常生活では、仕事のように成果を求めることだけではありませんが、1つの事に集中する方が、良い結果をもたらす場合が多いです。
付き合いの浅い顔見知りが100人いるより、大事な親友が1人いた方が良いのと一緒です。
このように、エネルギーを必要なところに集中して割くことで、良い結果をもたらすことをミニマリストは知っています。
そのためミニマリストは、モノに優先順位をつけて、自分にとって大事なことにエネルギーを割くようにします。
特徴:物の量が少ない
三つ目に、物の量が少ないことです。
皆さん、一般家庭の物の量がどのくらいかご存知ですか?
500個くらい?
いいえ。1人あたり約1500個の物を所持していると言われています。洋服の場合、一般的な女性だと約200着を所持しているというデータがあります。結構多いですよね。
ミニマリストの場合、少ない人だと約100個の物で生活しています
私は最近制服などが増えたので50着程度ですが、必要量だけで言えばオールシーズンで15着程度でも大丈夫です。
また、一般家庭の場合、特に目的もなく買い物に行く場合があると思います。
売り場は、お店が売り上げを上げられるように作られているため、目的がないとついつい本当は必要のない物まで購入してしまうことがありますよね。
一方ミニマリストは、何か目的があって買い物に行く場合がほとんどです。必要な買う物が事前に決まっているので、他の商品は選択肢から削り、必要最低限の物だけを購入して帰ることができます。
ミニマリストは、片付けで物の量を減らすだけでなく、必要のない買い物によって物の量を増やすことをしません。その結果、一般家庭と比較して、物の量が少ないです。
ミニマリストの特徴をまとめると、以下のようになります。
- 最小限のモノの量を知っている
- 優先順位をつけられる
- 物の量が少ない
ミニマリストのメリット
ミニマリストの特徴について説明しました。
では、ミニマリストになるとどのようなメリットがあるのでしょうか。実際に私が感じたことを説明します。
利点:時間的余裕
一つ目に、時間的余裕が生じることです。
ミニマリストになると時間的余裕が生じる理由は主に2つあります。
- 不要な時間を削ることができるから
- 物の管理に使う時間を減らすことができるから
まず、なんとなく使っていた時間が減ります。
例えば、行きたくないのに参加していた会社の飲み会時間、なんとなくショッピングセンターに寄ってフラフラ歩く時間などがなくなります。
これは、ミニマリストが時間の使い方にも優先順位をつけ、自分の大事にしたいことにエネルギーと同様に時間も割くようになるからです。
さらに、物の量が少なくなることで、物の管理に使う時間を減らすことができます。
床に掃除機をかけるとき、床に物が置いてあると大変ですが、何もないとすぐに掃除ができますよね。
私の場合、ミニマリストになってから掃除や探し物など物のために使う時間が大きく減りました。以前は毎日15分程探し物をしていましたが、今は物を探す日はほとんどありません。
このように、ミニマリストになると今まで使っていた時間が減り、時間的余裕が生まれます。
利点:節約
二つ目に、節約ができることです。
ミニマリストになると、お金の使い方が変化します。
- 固定費が減る
- 考えて消費をするようになる
- 浪費が減る
まず、固定費を減らしやすくなります。
- 物が少なく部屋が狭くても大丈夫なため、家賃を抑えることが可能。
- 家電が少ないから電気代が減らせる。
- 通信費も自分の必要な量に合わせてプランを選ぶ。
ミニマリストになると、固定費を減らしやすい環境が自然と出来上がるのです。
次に、消費を考えて行うようになります。
買い物の際に、本当に必要かどうか、自分の価値観に合うかどうか、しっかり考えるようになります。
そのため、今まで消費だと思っていた浪費に気がついたり、消費していた商品を見直したりするからです。
また、ミニマリストになると浪費が減ります。
浪費は2種類あると私は考えています。1つは人生を豊かにするもの、もう1つは無駄なもの。ミニマリストになれば、人生を豊かにしてくれる浪費は残しながら、無駄な浪費を減らすことができます。
私の場合、「らーめんを食べること」は自分を幸せにしてくれる浪費なので今でも続けていますが、「洋服をたくさん買うこと」は必要でも自分を幸せにしてくれることでもないと気がつきやめました。
このように、ミニマリストになるとお金の使い方が改善され、節約になります。
利点:挑戦しやすい条件
三つ目に、挑戦しやすい条件が揃うことです。
皆さんが挑戦しようと思って諦める時、理由は何でしょうか。
私の周りの人たちの理由は、「お金がないから」「時間がないから」の2つの理由が圧倒的に多いです。
ミニマリストになると、先程説明した通り、金銭的余裕と時間的余裕の両方が生じます。さらに、「最小限」を知っているから、精神的余裕があります。
金銭的余裕、時間的余裕、精神的余裕。
この3つの余裕が揃っているから、ミニマリストは新しいことに挑戦しやすくなります。私もミニマリストになってから、旅を始めたり、このブログを書き始めたり、新しいことに挑戦するようになりました。
その結果、いろんな趣味で人生を楽しく過ごせています。
ミニマリストのメリットをまとめると、以下のようになります。
- 時間に余裕が生まれる
- お金に余裕が生まれる
- 新しいことに挑戦しやすくなる
ミニマリストのデメリット
ミニマリストのメリットについて説明しました。ミニマリストになるとメリットがありますが、デメリットもあります。実際に私が感じたことを説明します。
欠点:初期費用
一つ目に、初期費用がかかる場合があることです。
物の量が多いと、自分が必要なものを把握できていない場合があります。
必要な物が不足していても、必要でない物で無理やり代用することができるからです。
ミニマリストになって、今まで代用していた物を手放した時、生活に必要な物が足りない状況になってしまいます。そのような場合、必要な物を買い足す必要があります。
また、今まで以上に1つ1つの物の価値を考えるようになるため、より自分の生活を改善する物に入れ替えたいと思う時があります。
例えば、洗濯機に乾燥機能があれば時間をより有効に使えるなぁ、お掃除ロボットがあれば掃除の手間をなくせるなぁと考えるようになります。
このように、家事に割く時間を「最小限」にするために、お金を使う場合があります。
以上のように、ミニマリストになると人によっては最初の方はお金がかかる場合があります。
欠点:周りの声
二つ目に、周りの声が辛い場合があることです。
最近は「ミニマリスト」という言葉が世の中に浸透してきているので、イメージは改善されつつあるのですが、たまに心が疲れる一言をかけられる時があります。
以下は実際に私が言われた言葉です。
- 何も買わないんだろ?経済回せよ。
- 物持たないなんて、楽しみがない人生だね。
- 20代からいい物持ちなよ。
- 若いうちは金は無駄遣いするべきだね!
ミニマリストでもお金使いますし、毎日楽しく過ごせているので、気にしないのが1番なのですが、言われた時は心にきましたね。
皆さんが実際に言われるかは分かりませんが、たまに辛い事を言われるのがミニマリストのデメリットの1つです。
欠点:急な対応
三つ目に、急な出来事の対応が大変な場合があることです。
ミニマリストになると、大半の人が所持しているものを持っていない場合があります。そのため、急に「〇〇が必要だから準備して」と言われた時に、対応するのが大変です。実際に私が言われて大変だったのは以下のようなことです。
- 工作で新聞紙とラップの芯が欲しい。
- 来週のイベントで浴衣を着て来て。
- BBQでうちわ使うから持ってきて。
浴衣やうちわを頼まれた時、季節外れの冬だったため、探すのが大変でした。時間的余裕や金銭的余裕があるので対応することは可能なのですが、ドタバタすることは精神的によくないと思います。
手放す物の基準を間違えると、頻繁に対応に追われることになるため、注意しましょう。
ミニマリストのデメリットをまとめると、以下のようになります。
- 最初にお金が必要な場合がある
- 周りの声が痛い時がある
- 急な出来事への対応が必要な時がある
ミニマリストになるには?
ミニマリストのメリットとデメリットを説明してきました。
ミニマリストになった時のメリットが大きいと感じたら、ミニマリストになってみると生活が良くなると思います。
でも、モノが多いマキシマリストから、ミニマリストになるにはどのようなステップが必要になるのかわからない人も多いと思います。
ミニマリストになる過程は人それぞれですが、私が実際にミニマリストになった時の過程を例に説明していきます。
自分の価値観を知る
初めに、自分の価値観を知ることが必要となります。
- 大事にしたいのは、仕事?家族?趣味?
- どんどん挑戦する?安定を求める?
- 自然が好き?ハイテクが好き?
ざっくりとした質問を例に出しましたが、このように多くの事に関して自分が「何を大事にしたいか」を考えていきます。たくさん考えることで自分の価値観を知ることができます。
私の場合は、美味しい物を食べられて、気持ちよく眠れるのような「小さな幸せ」を感じることが、私にとって1番幸せだな、と気がつきました。
そのため、どんどん挑戦するというよりは安定した生活を求めたり、自然のなかでのんびり過ごしたいな、という感じです。
皆さんの「大事にしたいこと」は何ですか?
モノの量を減らす
次に、自分の価値観を基準にして、モノの量を減らしていきます。
自分に関係あるものを全て見直します。
必要でない物を売ったり、譲ったり、ゴミに出したり。いらない習慣をやめたり、スマホのアプリを消したり。この時大事なのが、「他人基準」ではなくて「自分基準」で判断すること。
私の場合、日常の中の「小さな幸せ」が大事なので、洋服など毎日使う物は特にしっかり選びました。雑誌などが「流行が過ぎた服は手放そう」と言っても、私自身はあまり気にならないので「流行」は判断基準にはしませんでした。
その代わり、着ていても幸せを感じられない肌触りが好きでないもの、色の刺激が強すぎるものを手放しました。
このように、自分の身の回りのことを「自分の価値観」に合わせて見直し、モノを減らします。
モノを見直す
最後に、減らしたモノを定期的に見直します。
1度モノを減らすだけでなく、定期的に見直す必要があります。永久に使える物は少ないですし、時間が経つと家族ができたり、引越したりして状況が変わるからです。
私の場合、テニス用の靴、室内履きの靴は体育の授業の期間は必要でしたが、しばらく必要になることはないので手放しました。一方パソコンは、今までは必要ありませんでしたが、ブログを始めたり、卒論を書いたりするために購入しました。
このように、自分の環境の変化に合わせて「最小限」も変わるため、定期的にモノを見直しましょう。自然と定期的にモノを見直して、自分にとって良い状態になっていればきっとミニマリストです。
ミニマリストになる過程をまとめると、以下のようになります。
- 自分の価値観を知る
- 自分の価値観に合わせてモノを減らす
- 状況の変化に合わせてモノを見直す
まとめ
今回の記事では、ミニマリストの特徴とメリット・デメリット、ミニマリストになる過程について説明しました。
ミニマリストがどんな人なのか、少しはイメージができたでしょうか。
もし、「今の生活は何かに追われている気がする」という方がいれば、要素を「足す」のではなく「引く」、ミニマリストとしての生活を体験してみてはいかがでしょうか。
この記事が、皆さんの暮らしが良くなる参考になれば嬉しいです。