【本紹介】ぼくはお金を使わずに生きることにした

僕はお金を使わずに生きることにした【本紹介】 節約

私は「小さな幸せを感じられる生活」をテーマに日々生活しているミニマリストの大学生です。最近は、自分の生活の選択肢を増やすことを目的に、他の方の暮らし方の本を読んでいます。前回はちゅらさんの「それ、いらない。」を紹介しました。

今回は、『ぼくはお金を使わずに生きることにした』という本を読んだので、紹介します。

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本紹介

本について

イギリス在住の自由経済活動家であるマーク・ボイルさんによって書かれた本で、日本では2011年に吉田奈緒子さんによる翻訳で発行されています。

自由経済活動家であるマーク・ボイルさんは、2008年の「国際無買デー」から1年間、お金を使わない生活を実験しました。この本はその時の話が書かれています。その後もお金を使わない生活を続けており、2016年末からの1年間は、電気、水道、パソコンなどの現在のテクノロジーを手放した生活の実験を行ったそうです。

内容

実際の本は細かく分かれているのですが、今回は内容をざっくりとまとめて紹介していきます。

なぜ「カネなし」を選ぶのか

初めに、なぜ「カネなし」という選択をしたのかについて書かれています。

お金は元々、物のやり取りを便利にするためのツールとして誕生しました。しかし、現在はお金が人間の生活を支配するようになっています。

また、経済成長と引き換えに不平等、環境問題、人間関係の悪化など、様々な問題が生じています

取引の際、私たちはお金と交換して何かを手に入れますが、「カネなし」の場合、お金の代わりに精神を使います。例えば、家族や友達に何かプレゼントをあげるとき、お金とは交換しませんよね。お金ではなく精神でやりとりをすることはコミュニティを作ることに繋がります。

準備

マークさんは、「カネなし」生活を送る上で以下のルールを決めました。

  1. 「カネなし」の大原則
  2. 「フツー」の法則
  3. 「ペイ・フォワード」の法則
  4. 「尊重」の法則
  5. 「化石燃料不使用」の法則
  6. 「料金前払いなし」の法則

「カネなし」の大原則は、金銭の授与を一切しないことです。金銭を授与してしまったら「カネなし」ではなくなってしまいますからね。

「フツー」の法則は、1年間で起こりうる様々なケースへの対処を常識的に考えるということです。「カネなし」生活だから普段と違う対応はしない、ということです。このルールがあることで、今までの人間関係を「カネなし」生活で壊すことなく、暮らすことができます。

「ペイ・フォワード」の法則は、やり取りをする時自分が先に与えるということです。事前に交渉して交換をするのではなく、自分が先に与えれば、その与えた分がどこかで返ってくるという考えです。この考えをすると、人類の心がより豊かになるのではないかとマークさんは考えています。

他にも、オフグリッド生活の準備など、「カネなし」生活のための準備を半年前から始めたそうです。

金なし生活

本の中では時系列に沿って様々な出来事が書かれています。今回は、簡単にまとめて紹介。

タダで〇〇

「カネなし」生活のため、何かを手に入れるときは、タダで手に入れる必要があります。本には、様々なものをタダで手に入れる方法が紹介されています。

タダでモノを手に入れる方法は主に3つあります。
1つ目は、他人が手放したものをもらうこと。日本でいうみたいなサービスでタダで譲ってもらったり、他人がゴミとして捨てたものをもらってきたり。
2つ目は、お金を介さずに取引をすること。マークさんの場合、農場の仕事の手伝いをする代わりに、家であるトレーラーを敷地内に置かせてもらっていました。
3つ目は、自分で作ること。食べ物、例えば野菜などは自分で栽培して手に入れていたようです。他にも、紙やインクをキノコから作る方法が紹介されていました。

日常生活で必要なものは、ほとんどタダでも手に入りますし、楽しむことができます。

パーティー

マークさんは、お金を使わずになんと「パーティー」も開催。

数百人のフルコース料理、丸一日が全て無料のフェスティバル。料理を食べるだけでなく、無料の服交換市が開催されたり、美しい音楽を聞いたり、リレー講演プログラムが開催されたり、上映会があったり。しっかりとした内容のフェスティバルをお金をかけずに開催したのです。参加者は何千人にのぼり、会場は信じられないほどポジティブな空気と高揚感に包まれていたようです。

参加者が見返りを一切期待せず、その日のために自分のできることをした結果です。人間が「どれだけ得られるか」ではなく「どれだけ与えられるか」を考えて生きていくことにしたら世の中全体がこのパーティーのようになるのではないか、とマークさんは考えています。

金なし生活一年の教え

最後に、マークさんが「カネなし」生活を通して学んだことが書いてありました。ここでは、その一部をざっくりと紹介します。

お金は一つの方法にすぎない

「物を作り出すにはお金が必要」という考えがそもそも間違っているとマークさんは言っています。例えば、道路を作る人に対しての報酬としてお金は必要であるが、道路を作ること自体にお金は必要ではない。

何かをするときにお金を使うというのは1つのやり方にしかすぎない。

与え合いの有機的循環

みずから与える精神を持って日々を生きれば、必要なものは必要な時に与えられる、とマークさんは言っています。愛情、敬意、気遣いをもう少しこの世の中に注ぎこむことで、みんなが恩恵を受けられるようになるのではないか。

ぼくが「カネなし」生活からまっさきに学んだ最大の教訓は、

人生を信じることであった。

マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』

本を読んだ感想

率直な感想は、「お金なくても生きていけるんだな」というものです。

「お金の悩みに縛られないように、節約をしてお金を貯めよう」と考えてきましたが、この時点で「お金」という手段に縛られているのかも、とこの本を読み終わって思いました。お金は便利なツールですが、ツールであるということを忘れないのが大切。人生を豊かにしてくれるモノに縛られて、心の豊かさを失うのは本末転倒ですね。

また、地域のコミュニティなどで与え合う関係を作るという話に興味を持ちました。お互いに与えるという精神のつながりが、心の豊かさにつながるヒントかもしれないと気がつきました。私自身は、まだ大学生で学ぶなど与えられる側にいることが多かったのですが、小さなことから自分から与える側に回りたいと思いました。

「豊かって何?」を改めて考えるきっかけをくれた本でした。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、マーク・ボイルさんの『ぼくはお金を使わずに生きることにした』という本を紹介しました。節約を通り越したお金を使わない暮らしは、節約という面だけでなく、地球全体に優しい生活のヒントになると思います。「お金に囚われて心の豊かさが足りない」そう感じている人はぜひ読んでみてください。

この記事が皆さんの生活をより良くする助けになりますように。

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